2024年11月に発売されたPS5 PROは、PS5の性能をさらに強化した上位モデルです。
このモデルは、家庭用ゲーム機として市場で最高クラスの性能を誇っていますが、12万円という高額な価格設定のため、発売前から賛否が分かれていました。
それでは、PS5 PROの販売状況はどうなっているのでしょうか。
初週の販売実績や、今後の売上の見通しについて、詳しくご紹介いたします。
PS5 PROの初週販売状況
PS5 PROの発売初週の販売台数はどのくらいだったのでしょうか。
ファミ通の調査によると、初週の販売台数は「78,086台」となり、まずまずのスタートを切ったと言えます。
一方で、PS5の通常モデルはPRO発売以前から価格改定後の販売ペースが落ち着いており、毎週1万台前後にとどまっていました(値上げ前は2万~3万台程度売れていましたが、値上げの影響で勢いが減少していました)。
そのため、PROモデルの初週販売台数は通常版を上回る結果となりました。
ちなみに、PRO発売週の通常版PS5の販売台数は、ディスクドライブ付きモデルが8,571台、デジタルエディションが1,503台と、通常通りの販売ペースを維持しています。
これに対し、競合機種の状況を見ると、Switchは週平均で約5万台、Xboxシリーズは毎週2,000台から数千台程度と、それぞれ安定した売れ行きを示しています。
発売直後がピークとなる傾向とその理由
PS5 PROは12万円という価格設定のため、主に発売直後に売上が集中する傾向が見られると考えられます。
この動向はゲームソフト市場にも共通しており、特にコア層向けのソフトは「発売直後に売上が集中し、その後ペースが落ち着く」という特徴があります。
一方で、ファミリー層向けのゲームソフトは「初週の勢いは控えめでも、長期間売れ続ける」傾向が強いです。
例えば、任天堂のパーティゲームでは、発売から数年経過しても週に1万本程度売れるタイトルもあります。
しかし、PS5 PROは明確にコア層向けの商品であるため、初週の売上は大きく伸びたものの、その後の販売ペースが急激に減少する可能性が高いです。
初週の78,086台という数字はPS4 PROを超える結果となりましたが、これが持続的な売上につながるかについては、引っ掛かりがあります。
PS4 PROとの比較
PS5 PRO以前にも、上位モデルとしてPS4 PROが登場していました。
PS4 PROの価格は発売当時44,980円(税別)で、初週の販売台数は「65,194台」でした。
このデータと比較すると、PS5 PROは販売台数で優位に立ち、価格が約3倍であるにもかかわらず好調なスタートを見せたと言えます。
しかし、PS5 PROはPS4 PROよりもさらに「コア層向け」の性格が強く、初週の売上集中が目立つ一方で、その後の販売ペースの減少も早いと予想されます。
12万円という価格設定から、購入するのは熱心なファンが中心となり、発売日を逃したユーザーが後から購入に踏み切る可能性は低いでしょう。
そのため、PS4 PROと比較しても、早期に販売ペースが鈍化し、週ごとの売上がさらに低調になることが見込まれます。
スイッチ上位モデルとの比較
競合機種であるニンテンドースイッチも、過去に「有機ELモデル」という上位バージョンを発売しました。
このモデルの初週販売台数は13万8,409台と、PS5 PROを大きく上回る結果を記録しています。
この差にはいくつかの理由があります。
まず、有機ELモデルはPS5 PROに比べて価格が手頃であることが挙げられます。
また、スイッチ全体が依然として市場で非常に好調な販売を続けていることも影響しています。
こうした背景から、PS5 PROの初動が控えめに見えるのも仕方ない部分はありますが、有機ELモデルが勢いのあるスタートを切ったのは事実と言えるでしょう。
発売後の売上の動向と見通し
PS5 PROは、発売直後の勢いが一段落すると、週ごとの販売台数が「数千台」程度に落ち着く可能性が高いと予測されています。
この背景には、12万円という高価格が購入層を限定していることがあります。
また、過去のPS4 PROでも、発売初期以外の期間では通常モデルの売上が上回る傾向がありました。
同様に、PS5 PROも初週のブームが収束すれば、通常モデルの売上が優勢になると考えられます。
現在、PS5の通常モデルは毎週1万台前後の販売を維持していますが、PS5 PROがそれを上回る販売を安定的に記録するのは難しいかもしれません。
もし価格が大幅に引き下げられれば状況は変わる可能性がありますが、現時点では新作ソフトの発売があっても、PS5 PROの売上が劇的に伸びることは期待しにくい状況です。
こうした要因を踏まえると、PS5 PROの週次売上は比較的早い段階で1万台を下回り、数千台規模に落ち着くと予想されます。
発売直後の需要が落ち着いた後は、国内市場におけるPS5 PROの存在感は限定的なものになる可能性が高いでしょう。
また、価格面でも通常モデルより大きく上回るため、PS5 PROが週間売上で通常モデルを上回る状況が長期間続くことは難しいと言えそうです。
今後の販売動向
PS5 PROは発売直後しばらくの間、一定の販売ペースを維持するものと予想されます。
2週目以降はやや勢いが落ちる可能性がありますが、11月21日に発売されるPS30周年記念のアニバーサリーモデルや、PROモデルのアニバーサリーエディションが登場することで、再び販売が活性化することが期待されています。
しかし、このようなブースト効果が収まると、週次の販売台数は数千台程度に落ち着くと考えられます。
12月から1月にかけては一定の売上を保つ見込みですが、その後は販売ペースが緩やかになると予測されています。
特に、「モンスターハンター」シリーズの登場による本体販売への影響については、慎重な見方が必要です。
これまでPS5では、「ファイナルファンタジー」や「プロ野球スピリッツ」、「サイレントヒル」のリメイク版といった人気タイトルが発売されましたが、高価格が影響し、本体の売上を大きく押し上げることには繋がりませんでした。
そのため、「モンスターハンター」の発売がPS5 PROの販売を劇的に伸ばすかどうかについても、不透明な部分が残ります。
総合的に見ると、PS5 PROの売上はアニバーサリーモデルの発売による効果が続く12月中旬頃までは堅調に推移するものの、それ以降は徐々に落ち込み、モンスターハンターの影響があったとしても、小幅な改善にとどまる可能性が高いです。
最終的には、週次売上が数千台規模で安定する見通しです。
価格が12万円と高額であるため、長期的に高い販売ペースを維持するのは難しいと考えられます。
まとめ
PS5 PROの発売初週の販売実績は、まずまずの成果といえます。
一定の需要を捉え、発売直後の数字としては合格点を記録しました。
ただし、こうした販売ペースを長期間維持するのは容易ではありません。
12万円という高価格設定が影響し、国内市場では広いユーザー層を取り込むことが難しい状況です。
コアユーザー層は限られており、この価格帯では購入層がさらに絞られてしまいます。
とはいえ、PS5 PROはそもそもコアユーザー向けに特化した製品であり、こうした動向は想定の範囲内といえるでしょう。
今後の市場戦略においては、PS5通常モデルの販売促進に重点を置くことが、より重要になるかもしれません。